夢の中。

今日数度目の夢を感じる。
その世界では私は女だった。しかし、自分のリアルは認識できないようだが、男であるということを知っているようでもあった。夢の中の私には彼氏がおり、彼はマラソンをしていた。ただひたすら走っていた。
彼がスタート位置にいる頃私は会場の近くにあるアパートで会場を見下ろしていた。そこには私とその部屋の主である女性と肉まん屋が二人いた。マラソンが始まり、彼が会場から飛び出していくと、その部屋にある天井から吊るされた物理教室風のテレビで彼の走っているライブ映像をみんなと観たのだ。
彼の勇姿を見守りながら、部屋の主が作ったのであろうカレー(らしきもの)を食べた。部屋の主は食べ方が豪快だった。
そんな時、ふと昔の記憶を思い出し彼女の姿を眺めた。昔の記憶にある何かとその姿がだぶったのだ。私はとても気になり、ただじっと彼女を見続け、記憶を探ろうとした。その時私はテレビに気がついた。私はテレビに飛びつき、彼の映っている映像を断ち、チャンネルを操作して怪しげな画面を映し出した。画面に浮かぶ画像は数十秒間隔で写されたコマドリ写真のような画像が横六枚、縦は画面に映っている部分だけでも相当数存在していた。
その一枚一枚に写るのは彼女の幼少時代のようであった。写真の中の彼女はオムライスを食べ終わった後の様で、豪快に食べたのであろうことがわかるほど、オムライスの載っていたテーブルは飛散したご飯粒やソースでグチャグチャであった。次の写真で彼女は一生懸命にテーブルを拭いているようだった。そして、次の写真では拭き終わって汗をぬぐうフリをしている彼女が写っていたが、結果的にはソースが伸びただけであまり綺麗にはなっていなかった。そこまで記憶をあさった後で、今現在カレーに夢中になっている彼女をもう一度見つめた。昔の思いがまた湧き出すような気分になる。
と、いきなり肉まん屋の二人が俺もマラソン選手やりたいと言い出す。彼女もノリ気で走り方を教えてあげようと言う。そしてみんな勢いよく飛び出し、アパートの下にある肉まん屋のロゴが四面に描かれたワゴン車に飛び乗り動き出す。アパートの下の駐車場から飛び出した肉まん屋のワゴン車は、運転手の早く走り出したいと思う力が、いつもの1.12倍ほどの出力で疾走させたような気分にさせる。
そんな時、急に肉まん屋Aは走る車の窓から乗り出し、車に落ちてきている鳥のふんを見事空中でキャッチした。それだけでも驚きであるのに彼はそれを落とした鳥に向かって投げ返した。見事鳥に命中、鳥は破散した。
そして、私は覚醒しこの夢は終焉を迎えた。