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未知の恐怖である死、まだ私は死を知らない。これから一生本当の死を知ることが無い。死を知ることができるのは死んだときだけ。知ったからといって先があるわけじゃない。そこで終わりなのだから。死とは終わり。世界の終わり。自分の終わり。先の無い終わり。その先が空虚であろうと、そこに私はいない。だから死には意味が無い。
痛みで死のうが、寒さで死のうが、死の寸前というのはそれは死じゃなくて人生の一部だ。たとえどんなに臨死体験をしたとしても、それもアパートオブライフ、人生の一部だ。生の瞬間。死の瞬間。その間が人生だ。死は人生じゃない。平等に与えられたものだからこそ、それは人生じゃない。
人の人生に死は無い。死とは、終わりを告げるだけなのだ。けれど、死んだのには理由がある。でなければ、死は人生の一部になってしまう。そして、その理由こそが本当の意味での人生の一部である死なのだろうと思う。
終わりはこれを以って訪れる。